ビジネス用のホームページは、企業の顔であり、営業ツールとして重要な役割を果たします。そのため、ホームページの作成は慎重に行いたいものです。
最近はフリーランスや個人の副業、知人にホームページ作成を依頼する企業が増えています。しかし、依頼する際には、いくつかの注意点があります。
ノーコードでホームページ制作が身近に、しかしコンテンツ制作は専門性が求められる
かつて、ホームページ制作にはHTMLやCSSなどのプログラミングスキルが必要でした。しかし、近年ではノーコードツールの普及で、専門的な知識やスキルがなくても、デザイン性のあるホームページを簡単に作成できるようになりました。
これにより、ホームページ制作の敷居が下がり、誰でもホームページを作成できる時代が到来しています。
しかし、効果的なホームページを作るために必要なのは、デザイン性だけではありません。
コンテンツ制作には、ターゲットや目的を明確にするマーケティングスキル、ユーザーの興味を引くためのライティングスキル、SEO対策の知識、サーバー知識など、専門的なスキルが求められます。
そのため、ホームページ制作を依頼する場合は、デザインだけでなく、コンテンツ制作のスキルや実績も確認することが重要です。
フリーランスや個人の副業、知人にホームページ作成を依頼する場合、その人のスキルや実績を確認することが最も重要です。
「ホームページ作れます!」と言っても、どの範囲で出来るのか、スキルや経験などレベルはピンキリだということを認識しておいてください。
スキルや実績を確認する方法としては、以下のようなものがあります。
- ポートフォリオを確認する
- 過去の取引先に問い合わせる
- できる項目、できない項目を確認する
ポートフォリオは、その人のスキルやデザインセンスを確認するのに役立ちます。過去の取引先に問い合わせれば、実務能力やコミュニケーション能力を評価してもらえます。
また、スキルや実績だけでなく、コミュニケーション能力や責任感なども確認しておきましょう。ホームページの作成は、依頼者とフリーランスや知人の密接なコミュニケーションが求められます。また、納期を守り、クオリティの高いホームページを作成してくれるかどうかも重要です。
依頼内容を明確にする
ホームページの作成を依頼する際には、依頼内容を明確にすることが大切です。
依頼内容を明確にしておけば、フリーランスや個人の副業、知人が適切な作業を進めることができます。また、後からトラブルが発生するリスクを減らすことができます。
依頼内容を明確にする際には、以下のようなものを検討しましょう。
- ホームページの目的
- ターゲット
- コンテンツの内容
- デザインの方向性
- 集客導線(集客を考えてほしい場合)
- セキュリティ対策
- 機能や仕様
- SEO
- 納期
- 予算
また、ホームページの作成には、以下の工程が含まれます。
- ヒアリング
- 企画・提案
- デザイン
- コーディング
- テスト
- 公開
各工程でどのような作業を行うのかを明確にしておきましょう。
また、レベルやスキルはピンキリで、専門家外ではなかなか判断ができないものです。ホームページの専門家にセカンドオピニオンとしてチェックしていただくのも失敗しないための対策としておすすめです。
契約書を締結する
ホームページの作成を依頼する際には、契約書を締結することをおすすめします。
契約書を締結しておけば、依頼内容や費用、納期などのトラブルが発生した際に、権利関係を明確にすることができます。フリーランスや個人の副業、知人だと「そこまでは…」と思う方もいると思いますが、ビジネスですのできちんと契約書は交わしましょう。
契約書には、以下のようなものを記載しておきましょう。
- 依頼内容
- 費用
- 納期
- 成果物
- 修正・追加作業
- 著作権
- 秘密保持
定期的にコミュニケーションを取る
ホームページの作成は、依頼者との共同作業です。そのため、定期的にコミュニケーションを取ることが大切です。
コミュニケーションを取ることで、依頼内容の認識の違いや、作業の進捗状況を把握することができます。また、修正や追加の依頼もしやすくなります。
コミュニケーションを取る際には、メールやチャットだけでなく、実際に会って話をすることも大切です。
納品後は、必ず検収を行う
ホームページが完成したら、必ず検収を行いましょう。
検収では、以下の点を確認しましょう。
- 依頼内容と一致しているか
- デザインや機能に問題はないか
- 動作に問題はないか
検収で問題が見つかった場合は、修正や追加の依頼を行いましょう。
発注する側のホームページ知識もある程度必要
これはよくある話ですが、経営者はホームページを依頼したら全部を理解して良いものを作ってくれる。と思っている方が多いので。しかし要望をきちんと伝えられなかった、あるいは発注先のレベルを確認しなかった事で、「こんなはずじゃなかったのに」となるケースがあります。
以外と多い 知人へ依頼して失敗した話
フリーランスや個人の副業、知人へのホームページ制作依頼は、費用を安く抑えられるというメリットがある一方で、トラブルのリスクもあることを理解しておきましょう。
とくに知人への依頼は、要望が言いづらくなる傾向があります。
これは、知人同士という関係性から、相手の気持ちを考えてしまい、自分の要望を言いづらくなるためです。そのため、依頼内容が曖昧になったり、修正や追加の依頼が言いづらかったりする可能性があります。
また、ビジネスとしてのホームページ制作の経験が少ないことが多いため、依頼者の意図を正確に理解できなかったり、納期や予算を守れなかったりする可能性もあります。
実際に弊社に相談があった事例の一部です。
数年前、ネットに詳しい知人(個人の副業)にホームページをお願いして作ってもらったが、ネット集客が上手くできないという相談があり、弊社でホームページを確認すると、Googleにインデックスされておらず、その数年間、検索されても表示されない状態でした。これでは企業として大きな損失です。
ロゴを知人(趣味程度)にお願いしたが、時間も掛かかった上、出来上がったデザインが好みではなかった。でも何も言えずに泣く泣くこのロゴにしている。今後のお付き合いも考えると、今更変えられない。どうしたらよいものか…
フリーランスにお願いしたホームページをチェックして欲しいという依頼。確認したところ、初期設定がきちんとできておらず、パーマリンク(URL)も日本語のまま…。費用をいただいて弊社で手直ししました。お客様にとっては時間と費用がさらにかかってしまいます。ホームページを作ることは簡単に出来てもスキルがないとホームページとして働いてくれないため本末転倒です。
まとめ
フリーランスの中にもとても良い仕事をされる方もいっぱいいらっしゃいますし、弊社もお仕事を依頼する事も多々あります。
一方で注意点を理解しておく事も大事です。特に知人にお願いする場合は、注意点を押さえておくことで、トラブルを回避し、満足のいくホームページを作成することができます。
ホームページは、企業の顔、営業ツールとして重要な役割を果たします。そのため、目的やターゲット、コンテンツの内容などをしっかりと検討し、効果的なホームページ作成を依頼しましょう。